
ニホンジカ
分類: シカ科
見られる時期: 一年中
特徴
ニホンジカは日本各地の森林に生息する代表的な野生動物です。雄は成長すると立派な角が生え、毎年春に古い角が落ち、新しい角へと生え替わります。
宮島のシカは古くから神の使いとして親しまれ、人のすぐ近くで見かけることも少なくありません。しかし、野生動物であることに変わりはなく、適切な距離を保って見守ることが大切です。
宮島・弥山での見どころ
弥山では、早朝や夕方を中心に森林や遊歩道沿いでシカの姿を見かけることがあります。木々の間から静かにこちらを見つめる姿は、豊かな自然が残る弥山ならではの風景です。四季折々の森を背景に、自然の中で暮らすシカの姿を観察することができます。
🦌 豆知識
シカの角は骨でできており、毎年生え替わります。新しい角が伸びている間は「袋角(ふくろづの)」と呼ばれ、表面はやわらかい皮膚で覆われています。秋になると皮がはがれ、立派な角になります。
「建物の陰から静かにこちらを見つめるニホンジカ。人と自然が共に暮らす宮島ならではの風景です。」

ヤマドリ
分類: キジ科
見られる時期: 一年中
特徴
ヤマドリは日本固有の野鳥で、雄は赤褐色の美しい羽と、体よりも長く伸びる優雅な尾羽が特徴です。普段は森林の地面を歩きながら木の実や昆虫などを探して暮らしています。
警戒心が強く、人前に姿を現すことは多くありません。そのため、森の中で偶然出会えたときは、とても貴重な自然との出会いといえます。
宮島・弥山での見どころ
弥山の豊かな森林は、ヤマドリが安心して暮らせる貴重な生息環境です。早朝や人通りの少ない時間帯には、倒木の上や遊歩道の近くで姿を見かけることがあります。美しい尾羽をゆったりと揺らしながら歩く姿は、弥山の自然を象徴する風景のひとつです。
🐦 豆知識
ヤマドリは国の天然記念物ではありませんが、日本だけに生息する「日本固有種」です。長い尾羽は雄だけに見られる特徴で、繁殖期には雌に美しい姿をアピールするために役立っています。

ツチグリ(土栗)
分類
担子菌類(キノコの仲間)
特徴
ツチグリは、成熟すると外側の皮が星のように開く、とてもユニークなキノコです。中央の球状部分には胞子が入っており、雨粒や風、動物が触れることで胞子が放出され、新しい場所へ広がっていきます。
森林の落ち葉や朽ち木の近くに発生し、自然豊かな森の環境を支える分解者として重要な役割を担っています。
見られる場所
- 弥山の登山道周辺
- 落ち葉が積もる林床
- 朽ち木の近く

キヌガサタケ
分類
担子菌類(スッポンタケ科)
特徴
キヌガサタケの仲間は、傘の下に美しいレース状の菌網(きんもう)を垂らす、非常に珍しいキノコです。この姿が花嫁のベールや着物の「衣笠(きぬがさ)」を思わせることから、その名が付けられました。
写真のように黄色い菌網を広げる種類もあり、森の中ではひときわ目を引く存在です。
見られる場所
- 弥山の森林内
- 落ち葉が積もる湿った場所
- 朽ち木の近く

ベニイグチ
分類
担子菌類(イグチ科・イグチ類)
特徴
鮮やかな赤色の傘と太い柄が特徴の美しいキノコです。傘の裏側には一般的なキノコのような「ひだ」ではなく、スポンジ状の細かい穴(管孔)が並んでいます。
イグチ類には多くの種類があり、赤や黄色など鮮やかな色彩をもつものも少なくありません。
見られる場所
- 弥山の森林内
- 広葉樹林や混交林
- 地面や樹木の根元付近

ギンリュウソウ(銀竜草)
分類: ツツジ科
見られる時期: 5月~8月頃
特徴
まるでガラス細工のような半透明の白い姿が特徴で、葉緑素を持たない珍しい植物です。そのため光合成を行わず、土の中で菌類と共生しながら栄養を得ています。
湿った落葉樹林の林床にひっそりと姿を現し、純白の神秘的な姿から「ユウレイタケ」という別名でも親しまれています。しかし、キノコではなく植物の仲間です。
宮島・弥山での見どころ
弥山の豊かな森が育む落ち葉の下では、多くの菌類や微生物が暮らしています。ギンリョウソウは、こうした健全な森林環境が保たれていることを教えてくれる「森の指標」ともいえる植物です。見つけた際は、踏みつけたり採取したりせず、静かに観察して自然の神秘を楽しみましょう。
🌿 豆知識
ギンリョウソウは葉緑素を持たないため緑色ではなく、透き通るような白い姿をしています。その神秘的な姿から、森の妖精とも呼ばれることがあります。

テイカカズラ(定家葛)
分類: キョウチクトウ科
見られる時期:
花:5月~6月頃
果実・種子:秋~冬
特徴
テイカカズラは、樹木や岩場に絡みつきながら成長するつる性植物です。初夏には星形の白い花を咲かせ、甘く爽やかな香りで森を包みます。
果実が熟すと細長いさやが裂け、中から綿毛を付けた種子が現れます。種子は風に運ばれ、新しい場所で芽を出すことから、自然の営みを感じさせる植物のひとつです。
宮島・弥山での見どころ
弥山の森林では、木々に絡みながら育つテイカカズラを見かけることがあります。開花の季節には可憐な白い花を、秋から冬には綿毛をまとった種子を観察することができ、季節ごとに異なる表情を楽しめます。
🌿 豆知識
「テイカカズラ」という名前は、平安時代の歌人 藤原定家 にまつわる伝説に由来すると伝えられています。文学と自然が結び付いた、趣のある名前を持つ植物です。

オニテングタケの仲間
分類: テングタケ科
見られる時期: 7月~10月頃
特徴
落ち葉が積もる森の中に姿を現す大型のキノコです。傘にはイボ状の突起が多数あり、太い柄と堂々とした姿が特徴です。森林の土の中では樹木の根と共生し、森の生態系を支える大切な役割を果たしています。
テングタケの仲間には美しい姿のものが多く見られますが、毒を持つ種類も少なくありません。見つけても採取せず、自然の中で観察を楽しみましょう。
宮島・弥山での見どころ
弥山では夏から秋にかけて、雨上がりの湿った林床でさまざまなキノコが見られます。キノコは森の落ち葉や枯れ木を分解し、栄養を循環させる「森のリサイクル役」として欠かせない存在です。豊かな森林環境が残る弥山ならではの自然の営みを感じることができます。
🍄 豆知識
キノコは植物ではなく「菌類」の仲間です。地面の下には菌糸が広がっており、私たちが目にするキノコは、胞子を飛ばすために現れる一時的な「実り」の部分です。
